2017.5.2(火)  5月2日

今日は晴れたね、よかった。今日も一日笑顔で過ごしてね。」
そう言って、父の写真を撫でた。
昨日は父の命日。もう15年になるのか・・と少し驚いた。
だって写真の父はずっと変わらないから、時間の長さがよくわからなくなっている。

娘がまだお腹にいた頃、父は亡くなった。
67才・・若かったよね・・と話しかけて、ふう・・とため息。
67才って、今もお元気なあの方やあの人や・・と知り合いの人達の年齢と重ねて考えてみたら、
なんて早くに逝ってしまったんだろう・・と今更ガックリしてしまった。

お父さん、早いよ・・・。
もっと教えてほしかったこと、習わなきゃいけなかったこと、たくさんあったのに。
お父さんの自慢のカラクリ屋敷で、家族みんなでもっとワイワイ過ごしたかったのに。
安いワインも並のお肉もお父さんが振る舞うと美味しくなる、
そんなパーティーを私も手伝いたかったのに。

TVで野球観ながらあーだのこーだの話ししたり、お父さんの解説付きでゴルフの中継観たり、
カーグラフィックを見ながら、どの車が好きか?なんて話しをしたり、
最近お気に入りのシンガーの曲をドライブしながらで聴かせてもらったり、
家の中に手を入れてるだろういろんな作業、一緒に手伝いながら教えてもらったり・・・・
お父さんの面白い、ナイスな発想を聞きながら、私のアイデアも重ねたり・・
まだまだ聞きたい事あったのに。
たくさんあったのに・・・。




あれも、これも・・したかった。
いろいろしてあげたかった。
 
宮崎を離れてからずっと仕事で忙しくて、
私は父とやり残している事がたくさんある。
話しそびれていることもある。
謝りそびれている事も。

 
でも、今、私は父に ありがとう を言いたい。
イギリスに来てから、あちこちで父が好きだったものや好きだった事に出くわす。
それはとても父らしい、そんな物や出来事。
そしてそれは私にとっても、とても私らしい事柄。
若かった頃、そこから大きく外れて違う景色に心酔したりもしたが、
3周りくらいして、結局今ここにどっしり腰を落ち着けた・・感じ。
好きだったものはいつまでも変わらない・・。
そして好きなものは、全部父からの受け売りだ。
 
54才の娘なんて父はピンとこないだろうが、
私もそう。まだ、ただの娘のまま。
 
今でも電話をしてみたくなる。
「ねえねえ、お父さん。今日すごくカッコいい車を見かけたの!
たぶんイギリスのヴィンテージだと思う。
あれってさぁ~ ・・・・・・・   」

そしてきっと彼は
「ああ、それはね ・・・・・・   」と嬉しそうに教えてくれるだろう。


ロンドンにいると、父の事が前よりわかってきた気がする。
趣味人として、そして大人同士として。
だからこそ余計悔しい。
 
この街でリラックスして、ハミングしながらカッコつけてる父を見たかった。
私がいつも頭から湯気出してる家の問題も、僕の出番だ!とばかりに腕前を見せていただろう。
いろんなことを工夫しながら生きて行くこの国の暮らし方を楽しんだと思う。
ダンディズムがふらりと町中にあり、人々との会話はウイットに富み、
必要ならば、さっと袖をまくってなんでも自分でやってしまう。
これがイギリス、そしてロンドンだ。
そしてこれは、全く父そのもの。
 
やっぱり彼はこの街が好きだったと思う、絶対に。
 
 
 
 
ふぅ・・どこかに紛れ込んでいないかしら?
 
ねえ、お父さん。




今井美樹

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