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2020.5.2(土)  5月2日

昨日は父の命日でした。
母に電話したら、お供え物買いに行けないから、大事に取っておいた今川焼きをお供えしたわ、とクスッと笑っていました。
あら、いいわね!とか言いながら軽く話して電話を切りました。

そして今日また電話したら、実は昨日父を思い出して涙した、とポソっと言いました。
あなたの曲を聴いていたらなんだか涙が出て・・と。

 

父が亡くなった時、私はまだお腹に娘がいる状態で、悲しみにふける暇がありませんでした。
そして母は父宅の片付けに宮崎に行きっぱなしで、私の出産前に一旦帰京しましたが、その後も知人たちに助けられて父宅の整理に明け暮れる日々でした。
そして私達は父のことを思いながら一緒に涙する余裕もないまま、娘の誕生という喜びのフェーズに入りました。
私は初めての出来事に喜びだけではなく、疲労困憊し戸惑い、必死な毎日。 
だから母に会っても、彼女の悲しみや孤独を聞いてあげられなかった・・と思う。
母はどんな風に一人で悲しみや苦しさを抱えたまま毎日を送っていたのだろう・・。
 
 
いつの頃からか、よく父と歩いていた時の話をするようになりました。
街路樹のハナミズキを見ると、お父さんと歩いていたことを思い出すの・・とか、あの商店街までよく歩いていたのよ・・とか、彼女の東京生活の景色の中には、私とではない、確実に父との景色が色濃く残っていました。
そんな話になるといつも、私は本当にお父さんに惚れてたのよね~・・と笑いながら言う母。
笑いながら父との思い出を振り返る母の話を聞くたびに、私はわざとドライに返事しながらも、彼女の悲しみを感じて胸が締め付けられるような思いでした。

どうしてもそんな彼女の想いを残しておきたくて書いた歌詞があります。
今年の3月にそのことを母に伝えたら、それからそれをよく聴いていたようです。
そして昨日の命日にそれを聴いていたら、思いが溢れて泣けてきた、と・・。

そのことを伝えたくて、と、今日は彼女の方から電話してきました。

 
抱きしめてあげたかった。
 
 
会いたいよ、お母さん。


 
今井美樹

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