MIKI'S TALK

2022.1.26(水)

多くの皆さんが毎日楽しみにしているであろうNHKの朝ドラ「カムカムエブリバディ」。
私も人生初、この朝ドラにハマっています。
 
というのも、このご時世、ロンドンに居続ける毎日の中でたまたま初日の放送を観て、何気にそのまま毎日観続けるうちに、気づけばその時間を心待ちにするようになっていました。
朝ドラはこちらでも日本と同時放送があり、時間は夜11時から。
始まる5分前にiPhoneのタイマーをセットして、何をやっていても必ずテレビの前に座るようにしています(笑)。

この作品にどれほどハマっているか、話し出したら止まらない!!
誰かと語り合いたい!喋り倒したい!!
あぁ~~~~!!!(笑)

ご覧になっていらっしゃらない方には申し訳ありません、が、今日はどうしても・・ちょっとだけ・・。



1925年、昭和に変わる直前の岡山を舞台にスタートしたこの物語。
主人公が3世代にわたり、100年といういくつもの時代を越えたストーリーになるという。
だからスピーディーにどんどん進んでいくけれど、その年その時代の出来事、背景、世の中のムード・・
それらの推移は、歴史という事実の上に丁寧に描かれて、年代年代の匂いや色彩が私たちの五感を刺激していきます。そして人々の大切な日常の風景があるから、より戦争の残酷さが際立ち、痛みとなって心に刻まれています。

時代背景に伴いいろいろ複雑な感情が渦巻いた戦前、戦後のお話から、現在舞台は1960年代の色彩豊かな時代に移り、きっと多くのみなさんも心ワクワクしながらご覧になっているかと思います。

先週は怒涛の1963年のストーリーに観ている私達も心がかき乱されてしまいましたが、また昨日から嵐を乗り越えた彼らの新たな日々に、心がほんわか柔らかくなっているところでしょう。

初めから素晴らしい脚本と俳優さんたちのお芝居、制作陣のあらゆるところまで繊細に描き上げる素晴らしいクリエイティビティーに感動しっぱなしですが、特にこの1960年代の舞台に違う角度からもズボッとハマってしまいました。
1963年は私が生まれた年でもあります。
物語が自分の生まれた時代を描いている・・ことが、何だか今までにない不思議な感覚で、あの頃ってこんな世の中だったんだな~と知らなかったものをそぉっと見ているようなくすぐったい気分です。
1963年あたりの時代を取り上げている作品って今まで観たことがあったかしら?
舞台の大阪と故郷宮崎の片田舎では大きく違うでしょうけど、でもこの時代を描くのに欠かせないものは様々なスタイル。
装い、髪型、生活用品や家電品など大きく変化した生活スタイル、そして、車、音楽、エンターテイメントetc。
戦後の激動の移り変わりの中、それぞれの環境で生きてきた人達が新しい時代へと自分をアップデートさせながら、戸惑ったり立ち止まったりしても、それでも確実に新たな波に背中を押されグングン前に進んでいるような時代。
新しく現れたさまざまなものが、日本の色彩を変えていった大きなうねりの時代だった事を改めて感じます。

そしてその物語の中心になっているのがJAZZ。戦前の頃からずっとバックボーンになっている
ジャズトランペッター、ルイアームストロングの「The sunny side of the street」に導かれて物語は進みます。
主人公、そしてその大切な人、出会った人達が次第に繋がっていく。共鳴していくように。
 
先週はジャズトランペッター2人がJAZZコンテストで競うあうシーンでした。
ライバルであるけれど相手の素晴らしさを認め合う2人のセッションはすごくスウィングしていて、まるで生でライブを見ているように、私ももう拍手喝采!
勝利を奪われたトミーが呟いた「最高だった」の一言が、どれほど2人のプレイが共鳴しあっていたかを表しているようで「そうなんだよね、共鳴したいんだよね!それってハッピーなんだよね・・」と一人うんうんと頷いていました(笑)。

 
私の父は大のジャズファンでした。
オーディオ専門の電気屋を営んでいたので、必然的に私の周りにはいつもジャズが流れていました。
私が生まれた1963年。まさにこのドラマの設定に近い頃に父や母の青春、出会いがあり、そうして我が家がスタートしたので、白黒の写真でしか知らないあの時代の景色が、ドラマを観ながらカラーに変換されているような感覚。
私はドラマの舞台の中に、父や母を通して知ったいろんな物を見つけては懐かしくて嬉しくなっています。
 
ジャズはもちろんですが、例えばドライブのシーンに出てきたスポーツカー、「フォルクスワーゲン カルマンギア カブリオレ」
父の受け売りですが、流線型の美しいフォルムは子供の私にも憧れでした。
だから嬉しかったなぁ、青空の下、流れるように走るあのシーンは・・。
 
ハマっている作品の中に自分の好き!がたくさん詰まっている。
久しぶりに心が躍って、そうそうこれが好きだったのよ~とか、あれが自分のアイデンティティーになっているんだな~・・とか、自分を築いてくれていた物事を思い出して、心と体が喜びに満ちていく。
あなたの「好き!」という気持ちをもっと楽しめばいいのよ!と自分自身に言われているようです。

古くなって乾いていた心の中の大切な部分が、じわっと潤ってきたような気がしています。
ワクワクするってほんとに凄いですね。
いつも自分で言っているくせに、私が一番ワクワクが必要でした。
 
 
こんな風に、ドラマの物語を楽しんでいるだけでなく、同時に自分史を振り返り、そして今まで見つめたことがない初めての眼差しで父と母のあの頃に思いを馳せる。
懐かしさや嬉しさ、もっと話を聞いておきたかったな・・という寂しさも含め、1963年界隈を堪能しています。

ドラマはいよいよ最終コーナーを回った感じでしょうか。
新しい街で歩き始めた二人の周りの様々な点がどんどん繋がっていきそうな気配。
共鳴していく彼らの新しい日常に、きっとまた泣かされるでしょう。
あぁ~温かな涙でぐしゃぐしゃになりたい。


 

今井美樹

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